繰下げ制度の改正
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繰下げ上限年齢の引き上げ
令和4年4月から繰下げ可能年齢の上限が70歳から75歳に引き上げられます。それにより、繰下げ増額率が最大42%から84%になります。
75歳で繰下げ請求した場合、65歳から75歳まで年金を受給できませんが、その分75歳から増額した年金で受け取れます。
1カ月繰下げることによる増額率は0.7%ですので、120月(10年)繰下げすると84%の増額になります。 0.7%×120月=84%
なお、10年繰下げることができる人は、施行日の前日(令和4年3月31日)において、70歳に達していない人が対象です。よって、すでに70歳を超えている人は、改正前の60月(5年)の繰下げしかできません。
特例的な繰下げみなし増額
令和5年4月から、本来請求選択時の特例的な繰下げみなし増額の制度が新設されます。
これは、受給権発生から5年経過後に繰下げ申し出を行わず、本来請求(遡及請求)を行う場合、本来請求を行った日の5年前の日に繰下げ申し出があったものとみなし、増額された年金を受け取ることができる制度です。
上記の図の場合、72歳で繰下げ請求を行わず、本来請求を行った場合、5年前の67歳に繰下げ申し出があったものとみなし、増額された年金を受給できます。この例では2年の繰下げ待機のため、16.8%増額した年金を67歳から遡及して5年分受給できます。
この制度の対象者は施行日の前日(令和5年3月31日)において71歳に達していない人です。